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5文型の問題点

5文型の問題点
 5文型は日本語と異なる英語の基本構造を学ぶ上で有用とされていますが、以下のような問題を抱えています。第1に、He lives in TokyoといったSVA型(=主語+動詞+副詞句)がカバーされていないことを始め、英語の用法の全てを網羅しているわけではありません。第2に、5文型は平叙文しか取り上げません。しかし英語の世界での平叙文のシェアは6割程度でしかないため、疑問文といった大事なコミュニケーション手段に手がまわりません。一方、SVCのシェアが6割、SVOのシェアが3割であることを考えると、シェアが1%台であるSVOOやSVOCも同じようなウエイトで覚えさせるのはいたずらに学習者の負担を増やしているようなものです。第3に初学者に英語の作りを覚えてもらうのに有用だとも説かれますが、実証研究で、この点も疑問視されています。結局、文法学習モデルとして不備がある上、英語の作りを教えるだけで、その作りをどう使うのかという次のステップが示されていない点、5文型中心の勉強法には限界があります。

(即戦力,日向 p24)

 

5文型の問題点

①英語の用法の全てを網羅しているわけではない。
②出現頻度を考慮すると構成がアンバランス。
③初学者に英語の作りを覚えてもらうのに有用という説は実証研究で疑問視されている。

 

①に関連して

まず「5文型」というのは極めて日本的な現象といえることに留意したい。外国の英語学者や英語教育の専門家に「5文型」(例えば、The Five Cardinal Sentence Patternsなど)と言っても、これはまず通じないとのこと。

沿革としては、おそらくO.T.Onions, Advanced English Syntax(1904)に発生源が求められる。同書では、<文>(sentence)の型ということではなく、<述部>(predicate)の型として、V, VC, VO, VOO, VOCという5つの型が挙げられている。この述部型は日本の初期の学問的な文法書である細江逸記『英文法汎論』(1917)にも採用されており、Onionsが5文型のもとになっているとの印象を強くする。

Onionsの体系は、イギリス本国においてもとうに忘却の彼方だという。前世紀の初期に紹介された5文型は、目まぐるしい英文法研究の集積の過程で、過去のものとなっている。しかし日本では、おそらく学習指導要領に一度載ってしまったこと等が原因で、後生大事にこれを教え続けている。

そのことを念頭におかずに、外国で5文型を前提とした質問などをしてしまうと 、おそらく良いことにはならないだろう。

 

5文型の欠陥について少し掘り下げたい。

<to be continued>